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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生54巻10号

1990年10月発行

文献概要

特集 突然死の現状と予防

福岡県久山町における突然死の実態

著者: 上田一雄1

所属機関: 1九州大学医療技術短期大学部

ページ範囲:P.674 - P.678

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■はじめに
 突然死は以下の点において,特異な疾患概念である.まず,疾患の定義が必ずしも明確ではない.したがって多様な疾患が包括される可能性があり,その意味では画一的な病因の究明や対策の立案が難しい.第2に,死因を明確に特定しえない場合が多い.これは突然死の性格上,臨床情報が極端に少ないことによる.第3は,従来の研究が主として法医学的立場に立脚していたことである.このことは突然死が原因不明の急死剖検例の頻度として報告され,発病率が高く見積もられていた可能性を否定できない.しかし,だからといって突然死の実態を,病院入院例を中心に検索することは必ずしも得策ではない.多くの急死例が病院に到着する以前に死亡するため,病院入院例の検討は単にどんな疾患が急死する機会が多いかをみているに過ぎないからである.ここでは福岡県久山町の一般住民からの剖検集団を対象に,急死の頻度,原因を中心に述べる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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