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調査報告
新潟労災病院内科における患者に対する禁煙教育の成果
著者: 貝沼知男1 庄山文子1 熊野英典1 荻野宗次郎1 富樫満1 嶋津芳典1 西野勲2 寺田治男2 大崎直樹2 斉藤元2 三浦良史2 阿部良興2
所属機関: 1新潟労災病院内科 2元新潟労災病院内科
ページ範囲:P.712 - P.714
文献購入ページに移動WHO1)の提言をはじめ,人間の健康に及ぼす喫煙の有害性は,次第に実証されてきた.とくに先進国では喫煙者は減少しつつある.1980年WHOは,世界保健デーのテーマとして「喫煙か,健康か,選ぶのはあなた」のスローガンを掲げ,世界各国の政府に喫煙対策の推進を提言している.わが国では喫煙対策が立ち後れていたが,1987年に厚生省2)がいわゆる「タバコ白書」を発表して以来,喫煙問題に関する認識が高まりつつある.
喫煙による寿命の短縮,健康障害,体力低下,それらに要する医療費,非喫煙者に与える影響,環境汚染,火災など,喫煙による損失は大きい.また喫煙問題は,公衆衛生上の重要な課題であると同時に,臨床医学とも直接的な関わりをもっている.とくに喫煙と関連の深い諸疾患については,その予防,治療効果の向上,再発防止などのために,患者に禁煙を指導することは,臨床医の重要な責務であり,“患者に対する禁煙教育は治療行為そのものである3)”と考えられる.
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