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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生54巻11号

1990年11月発行

文献概要

発言あり

アルコール依存症—マイペースで楽しみながらの飲酒を,他

著者: 大谷藤郎12

所属機関: 1(社)アルコール健康医学協会 2(財)藤楓協会

ページ範囲:P.731 - P.733

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 アルコールと人体との関係について,アルコール中毒,アルコール症,アルコール依存症,問題飲酒者などいろいろあるが,わたしが所属している(社)アルコール健康医学協会では総括して,「アルコール関連障害」と呼んでいる.編集者から題名「アルコール依存症」として原稿を依頼されたので,一応題名をアルコール依存症としたが,それらの呼称には,それぞれ解釈上の違い,ニュアンス上の違いがある.当協会の使用している「アルコール関連障害」という名称は,WHOによるものであって,その範囲は広範囲にまたがるものである.『Alcohol-Related Disabilities(アルコール関連障害)』山本次郎訳(1977年)によれば,「アルコール関連問題」は身体的,精神的病理,並びに例えば子供に対する影響を伴った家庭の崩壊及び低下した生産性へ導く人間関係及び社会機能の阻害を含んでいる.増加している問題としては,過剰のアルコール摂取による交通上の,産業上の,また家庭内の事故の発生がある.アルコール摂取とある種の犯罪との間にも蓋然性のある関連がある.多くの国々においては大量のアルコール摂取の始まる年齢が低下しており,婦人の多くが飲酒者,ときには大量の飲酒者になっているようである.さらに「アルコール関連問題」は,かつては余り影響されていなかった国々でも広がってきている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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