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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生54巻11号

1990年11月発行

文献概要

特集 ウイルス肝炎の疫学と予防

ウイルス肝炎の疫学—A型肝炎の疫学

著者: 馬場優1 鈴木司郎1

所属機関: 1三重大学医学部第3内科学教室

ページ範囲:P.738 - P.741

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■はじめに
 A型肝炎は人類の歴史とともに存在した疾患と考えられるが,1973年Feinstone1)らにより初めて,患者の糞便中より,病原体であるA型肝炎ウイルス(HAV)が発見されて以来,この17年の間,A型肝炎の研究の発展はめざましく,HAVのウイルス学的性状・感染病態・臨床像・疫学・予防にいたるまでほぼ明らかにされ,残された問題は発症病理と予防ワクチンの開発と考えられるほどである.予防ワクチンに関しては,本邦でも,すでに臨床試験も行われており,予防対策も最終段階に入ったといえる.最近の各国の国際化傾向は,目を見張るものがあり,各国での経済発展,各国間の経済的・政治的交流などが,A型肝炎の発生状況・浸淫度にかなり変化をもたらしてきたといえる.こうした事実から,将来的に予想されるA型肝炎の疫学の観点からの予防対策が必要となってくる.今回,本邦を中心にしたA型肝炎の疫学について述べる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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