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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生54巻11号

1990年11月発行

文献概要

特集 ウイルス肝炎の疫学と予防

ウイルス肝炎の疫学—E型肝炎の疫学

著者: 内田俊和1 志方俊夫1

所属機関: 1日本大学医学部第1病理学教室

ページ範囲:P.742 - P.744

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■E型肝炎とは
 E型肝炎という用語が定着したのは,ここ1〜2年のことである.以前は経口型(enterically transmitted,水系,流行性)非A非B型肝炎と呼ばれていた.日本で問題になっている非A非B型肝炎は,輸血を介して伝播するC型であるが,開発途上国ではE型がさしあたり重要である.
 E型肝炎はウイルス形態学,疫学,臨床など多方面にわたりA型肝炎に似ている.ウイルスの遺伝子はA型とは全く異なり,相同性はないが,形状はエンベロープを欠き,またクレオカプシドから成り,球形で,直径は27nmである.ゲノムはRNA. 起炎ウイルスは主に,糞便に汚染された飲料水を介し経口感染する.少なくとも流行例では,食物を通して伝播することはあまりない.ウイルスは物理学的に脆弱で,そのためか感染力が弱く,家族内で2次感染することは稀である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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