文献詳細
文献概要
特集 臨床疫学
疫学的方法による疾病解析—環境汚染・職業病
著者: 矢野栄二1
所属機関: 1帝京大学医学部公衆衛生学教室
ページ範囲:P.824 - P.827
文献購入ページに移動疫病の科学としてはじまった疫学は,その後の感染症による死亡の減少の中で,対象を化学物質などの環境要因による健康障害に広げ,環境科学や産業保健の研究の発展に大きく貢献した.同時にこれらの研究は,方法論としての疫学自身の発展にも役立った.今日疫学が取り上げる対象やその応用範囲は,本特集にみるようにはるかに広がってきているが,環境汚染・職業病の研究方法を概観することは,疫学的方法の論理を理解するうえで有用と思われる.そこで本項では環境汚染・職業病を対象とした研究例を用いて,今日の疫学的方法の基本的な論理を示し,次にこの分野に疫学を適用していく中で新たな展開がみられた2,3の点につき論じたい.
掲載誌情報