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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生54巻12号

1990年12月発行

文献概要

現代の環境問題・9

食品汚染—植物性自然毒

著者: 山崎幹夫1

所属機関: 1千葉大学薬学部

ページ範囲:P.840 - P.842

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1.はじめに
 環境問題の中でも,食品汚染にかかわる環境の変化はとりわけ重要な問題として注目される.特に最近は重金属,化学薬品,農薬等による食品汚染については関心も深まり,現状の把握,対応の方策もある程度は行われるようになったが,自然毒による汚染に関しては,意外に無防備であると言わざるを得ない.
 従来,日本人は自然指向性が強く,野菜や魚介類を生食する習慣がある.ある意味では“自然信仰”とも言えるほど,食性の上でも自然を損なったり,あるいは自然から遠ざかることを避けようとする傾向が強い.また,一時期いわゆる健康食ブームのような現象のために,必要以上に自然食にこだわる傾向が強められたことも事実である.しかし,自然食は完全に安全で,我々の健康を守ってくれるかといえば必ずしもそうではない,さまざまな形での自然毒の混入や,あるいはこれも自然毒に入れて考えるとするならば,管理,貯蔵,あるいは加工調理中の誘起により生じた毒は,我々の食の環境を守る上で重要な問題となる可能性をもっていると言えるのではないだろうか.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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