icon fsr

文献詳細

雑誌文献

公衆衛生54巻12号

1990年12月発行

文献概要

調査報告

喫茶との関連における農村婦人貧血因子についての一考察

著者: 山田重行1 加瀬沢信彦2 櫻井信夫3

所属機関: 1浜松医科大学衛生学教室 2静岡健康管理センター 3浜松医科大学

ページ範囲:P.863 - P.866

文献購入ページに移動
 これまで,鉄剤の服用に際して習慣的に茶,コーヒー等の摂取を禁じてきているが,このことは,これらに含まれるタンニン酸が鉄と不溶性塩を作り鉄吸収を阻害することによるといわれている1).渡辺らは2),鉄欠乏性貧血患者において鉄剤の経口投与時の鉄吸収に及ぼすタンニン酸および緑茶の影響を検討し,これらが鉄吸収を抑制することを報告している.Farkasも3),茶を多飲する習慣が鉄欠乏に関連していることをカナダ原住民の調査結果をもとに報告している.
 農村婦人に貧血傾向が強いにとは,農村保健問題として重視されてきているが4),これらの改善は幾多の努力が重ねられたにもかかわらず著しく困難なこととなっている.筆者らは,農作業では多量の発汗があり,農家では一般に茶を多飲する傾向がみられ,茶作農家では茶を換金する一方,自家用としても多用する傾向が見られることから,農村婦人貧血の要因として今まで看過されてきた喫茶の影響を想定した,そこで,農村婦人貧血と喫茶との関連性を考察するため,茶作農家婦人を対象とした血液検査と茶作地帯での茶の消費量調査を実施した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら