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調査報告
岐阜市の医療系専門学校の女子学生におけるレイノー現象
著者: 井奈波良一1 梶間和枝2 松田好美2 田中静子2 吉田英世3 永田知里3 岩田弘敏3
所属機関: 1岐阜大学医学部公衆衛生学教室 2岐阜大学医学部付属看護学校 3岐阜大学医学部衛生学教室
ページ範囲:P.867 - P.870
文献購入ページに移動レイノー現象は,寒冷への暴露などの際に起こる発作性の手指の蒼白現象で,典型的なレイノー現象は蒼白,チアノーゼ,発赤の3相性の変化を呈するとされている1).レイノー現象は,原因によって一次性と二次性に分類される.すなわち振動工具の使用や,閉塞性動脈硬化症,膠原病などの基礎疾患に起因してレイノー現象を呈するものは,二次性レイノー現象と呼ばれ,一方,認むべき基礎疾患なしにレイノー現象を呈するものは,レイノー病あるいは一次性レイノー現象と分類されている1).
レイノー現象は,10〜30歳代の女性に好発するとされている2)が,その有症率についての報告は少なく,しかも報告者によって差異があり,見解の一致をみていない現状にある.すなわち,女性を対象としたレイノー現象の有症率に関して,OlsenとNielsen3)は,21〜50歳の病院(デンマーク)で働く健康な女性の理学療法士のうち,22.4%がレイノー病を有していたと報告している.Leppertら4)は,18〜59歳の一般女性住民(スウェーデン)の手指のレイノー現象の有症率は15.6%であったと報告している.一方,わが国においても女性,特に若年女性のレイノー現象の有症率に関する報告は少なく,未だその実態が明らかにされていない.
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