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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生54巻3号

1990年03月発行

文献概要

特集 神経疾患対策へのアプローチ

外因性の神経障害—産業中毒・職業病

著者: 竹内康浩1

所属機関: 1名古屋大学医学部衛生学教室

ページ範囲:P.155 - P.159

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■産業中毒・職業病における神経障害の重要性
 神経系は構造的にも機能的にも高度に発達した複雑な組織で,識別,意識,記憶,言語,運動,知覚,内分泌機能,自律機能などを行い,外部環境の変化に適切に対応できるように心身の統一的な調節を行っている.そのために,神経系は外部の有害因子による影響や障害を受けやすく,労働にともなって生じた神経障害は重大な健康障害をもたらす.特に,中枢神経系の障害は人格の基本にかかわり,他臓器とは異なった重要性を有している.
 また,有害因子に対する反応の敏感性と健康障害の重大性のために,職場環境の許容濃度設定や職業病の早期診断のために,生体変化の重要な指標として重視されてきた.そして,最近の神経科学の急速な発展にともなって,外因による変化や障害の客観的な測定の感度が向上し,その変化が以前に比して的確に意義付けられるようになってきたために,産業中毒・職業病における神経障害の重要性は一層大きくなっている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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