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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生54巻4号

1990年04月発行

文献概要

地域リハビリテーションと機能訓練事業

地域リハビリテーションのマンパワー

著者: 澤村誠志1

所属機関: 1兵庫県リハビリテーションセンター

ページ範囲:P.256 - P.262

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■はじめに
 地域リハビリテーション(以下リハと略)の具体的な考え方については,色々な論議があり未だ定説がない.しかし,明確な定義の上に立たないとその論旨なり実践の方向が定まらぬ恐れが生ずる.その定義は,これからのわが国の各地域で展開される実践活動の中で徐々に固定化されようと思われる.筆者は,身障行政の中で地域リハ活動の中核と位置づけられた県立身体障害者更生相談所と兵庫県における地域リハ協議会の活動,兵庫県の地域保健医療計画と県の地域リハシステム委員会への参加と実践を通じて,地域リハをまず次のように定義した上で,与えられたマンパワーの問題に入りたい.
 すなわち,地域リハとは,地域を基盤として,患者,障害者に対する包括的な保健医療・福祉サービス体系の中で組織化され,発症後の早期リハより在宅,施設ケアまでを含んだ一連の継続性をもつリハ活動と考えたい.したがって,この地域リハ活動は,一方では,一般地域医療,つまり健康増進,予防,治療から狭義のリハである機能訓練の分野までを包括した医療システムに含まれ,その重要な位置を占めている.これとともに他方では,リハのもつ体質から,図1に示すように当然,患者,老人など障害をもつ人々や家族を支援する種々の在宅医療福祉サービス,教育,住宅,職業,交通手段,余暇活動など,これらの人々のクォリティ・オブ・ライフ(QOL)を支える広範囲で総合的なサービスを含むこととなる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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