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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生54巻5号

1990年05月発行

文献概要

事例報告

農薬空中散布の環境および健康への影響調査

著者: 彦坂直道1 菊池誠太郎1 古内文子1 町田光子1

所属機関: 1宮城厚生協会坂総合病院

ページ範囲:P.353 - P.357

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●はじめに
 近年,農薬を低コストで人手を使わずに散布する航空防除,いわゆる空中散布(以下空散と略記)が広く行われているが,これに対する住民の不安も強く,各地で反対運動が起きており,反対派住民による空散後の健康アンケート調査では,いずれも人体への悪影響が示唆される結果が出ているようである.
 しかし,散布をする農協側や,それを許可している行政のサイドでは,空散を許可している薬剤は「いずれも低毒性の農薬であり安全である」と言ってはいる1).しかし,我々が文献上で調べた限り,その根拠は実験室のデータであり,空散後のフィールドの環境調査や,人体への影響についての疫学的調査による安全性の立証ではない.こうしてみると,空散の,人体への影響や環境への影響については未知の状況にあるというのが現状であろう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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