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特集 痴呆性老人の地域ケア
地域のなかの痴呆性老人の実態
著者: 高鳥毛敏雄1 多田羅浩三1
所属機関: 1大阪大学医学部公衆衛生学教室
ページ範囲:P.379 - P.384
文献購入ページに移動地域で生活する痴呆性老人について,わが国では新福ら1),金子ら2)の報告,また1970年代以降になり都道府県,政令市を単位とした多くの専門的な調査が行われ,地域の痴呆性老人の出現率が明らかにされている3).これらの調査結果から,わが国では在宅痴呆老人数は1985年に59万人であったのが,2000年には112万人,2015年には185万人となると推定されている.しかし,Evansら4)は,最近行った調査の結果に基づき,アルツハイマー病は以前の報告よりも頻度が高い疾患であり,人間の長寿に伴い公衆衛生に与える影響が増大していくと報告している.
急速に増加していく痴呆性老人を,どのように予防し,どのようにケアしていくか,今日のわが国においても,直面する最も大きな課題であるといっても過言ではない.
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