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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生54巻6号

1990年06月発行

文献概要

現代の環境問題・3

水質汚染—トリハロメタンの生成と水処理技術

著者: 真柄泰基1

所属機関: 1国立公衆衛生院衛生工学部

ページ範囲:P.411 - P.414

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1.はじめに
 水道の普及率は約94%に達し,国民の生活や様々な産業活動は水道によって支えられている.伝統的な水の文化は姿を消し,利水地点まで圧力によって供給される水を,給水栓を開くことによって安易に得られることを前提とする水の文化に変化した.人が水を汲んだり,運んだり,あるいは,水を景観の中に絶えず存在させて,水の存在価値を生活の中で感じるような文化は姿を消していったのである.
 水道は1本の管路で様々な用途の水を供給しているのであるが,生活用水についてみても,乳幼児,老人や病人のような感受性の高い集団から健康な人々まで飲用水として利用しており,さらには貧富の差なくすべての人々が利用している.水道水を利用するといっても,それは水の溶解力や熱力学的な特性や流送力等の物理的な属性を利用しているのであるから,水を利用すれば必然的にその使用量にほぼ等しい排水を発生させることとなる.国民1人当たり1日約450lの水を利用し,年間約150億m3の水道水が利用されており,ほぼ同量の排水を河川など公共用水域に排出している.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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