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公衆衛生人国記
三重県—4地域の特性を踏まえた保健活動
著者: 坂本弘1
所属機関: 1三重大学医学部衛生学
ページ範囲:P.420 - P.421
文献購入ページに移動三重県は紀伊半島の東側にあり,南北に細長い.大別して伊勢路,伊賀,志摩,東紀州の4地域よりなる.名古屋から入ると,木曽三川の橋を渡った所から三重となる.そこから伊勢神宮までの間に広がった平野が伊勢路である.かつて伊勢参宮の旅人の往来でにぎわった街道筋に,現在の都市がある.その中で四日市市・鈴鹿市が工業地帯の中心となっている.伊勢平野の西に鈴鹿山脈があり,西に向かってこれを越えると伊賀の盆地に入る.忍者の昔話と芭蕉で名高い.伊勢路の南には志摩半島があり,海女と真珠で知られる国立公園であり,漁業が主産業である.紀伊半島東岸に沿ってさらに南下すると,尾鷲,熊野のある東紀州となる.その昔の九鬼水軍の根拠地であり,林業,石材業,漁業基地となっている.
4地域は歴史,文化,産業構造にそれぞれ特徴がある.戦後から現在までの公衆衛生の歩みにもそれが投影されており,三重という一括は難しい.
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