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特集 中小企業の健康問題
中小企業と労働福祉—人手不足と労働時間短縮
著者: 鈴木春男1
所属機関: 1千葉大学文学部
ページ範囲:P.436 - P.440
文献購入ページに移動内需拡大政策のなかで景気は好調であり,多くの中小企業が人手不足に悩んでいる.また,他方では,昭和63年4月に労働基準法が改正・施行され,労働時間短縮が社会的要請となっている.人手不足と時間短縮は,一見したところ相互に矛盾し,両立は不可能のように見える.確かに,人手不足の下では時間短縮などとても無理だという企業が多いし,また時間短縮を進めるには従業員の採用が不可欠だとする企業も多い.しかし,それを矛盾と考え,両立は不可能だと考えた企業の経営は破綻する恐れがあるといわなければならない.健全な経営がなされるためには,時間短縮を進めながら同時に人手が確保されていかなければならないのである.ここでは,現在問題となっている時間短縮と人手不足の実態を把握したうえで,両立させるためには何が必要かを考えてみたい.
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