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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生54巻8号

1990年08月発行

文献概要

特集 歯科保健

産業歯科衛生

著者: 西村正雄1 高久悟1

所属機関: 1東京歯科大学衛生学講座

ページ範囲:P.540 - P.546

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■はじめに
 産業衛生の歴史は,すでにヒポクラテス(Hippocrates;紀元前460〜377年頃)によって,特定の作業者に特有の疾病のあることが報告されている.また,産業衛生の発展は,イタリアのラマツィーニ(Bernardino Ramazzini;1633〜1714年)が『職業病について(De Morbis Artficum Diatriba)』を著してよりで,その後多くの先覚者によって産業衛生面の研究報告がなされた.さらに産業革命により,産業の発展に伴って労働条件が悪化したことから,産業衛生が強調されるようになったことも関係した.
 わが国では戦前,紡績工場などで女子作業者の長時間労働と労働環境の悪さ,および低賃金などにより,結核と職業病で多くの犠牲者をだした.これらのことからわが国では,その対策として1916年工場法が公布され,1929年には女子の深夜業の禁止となり,さらに1947年に労働基準法が公布され,今日の労働安全衛生法にまで発展してきた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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