icon fsr

文献詳細

雑誌文献

公衆衛生54巻8号

1990年08月発行

文献概要

保健婦活動—こころに残るこの1例

痴呆性老人とのかかわりを通して

著者: 岡本咲子1

所属機関: 1宮城県栗原保健所保健指導課

ページ範囲:P.570 - P.570

文献購入ページに移動
 大崎保健所岩出山支所は,宮城県西北部(人口約67,000人)の純農村地区6町を管轄している.管内の老齢人口は15.8%,年少人口は24.4%で高齢化が進んでいる.このことは,日常の保健活動のうえでも確実に保健問題として比重を増している.今回痴呆性老人と介護者である妻が,近所の人々や,保健所で実施している痴呆性老人ウィークリーケア「元気会」の仲間とのかかわりを通し,お互いに自分らしい生活ができるようになったので紹介する.
 〔背景〕Kさん81歳.家族構成は妻69歳(介護者)と長男夫婦,孫の5人である.25歳で農家の婿になり大勢の家族に仕える.妻が2人の子供を出産後病死したため,子供と共に家を出される.その後現在の妻と再婚し,農業をしながら6人の子供を育てる.性格は温厚,まじめで人からの信望も厚く,働き者で有名だった.76歳ころより健忘症状,見当識障害,嫉妬妄想などが現れ,脳梗塞という診断で3回の入退院を繰り返す.症状は年々すすみ,平成元年6月ころより夜中に「男がいる」と言って騒いだり,俳徊や見当識障害が著明になり,常時介護を必要とする状態で妻が介護に疲れ果て,保健所に相談に来た.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら