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保健婦活動—こころに残るこの1例
痴呆性老人とのかかわりを通して
著者: 岡本咲子1
所属機関: 1宮城県栗原保健所保健指導課
ページ範囲:P.570 - P.570
文献購入ページに移動〔背景〕Kさん81歳.家族構成は妻69歳(介護者)と長男夫婦,孫の5人である.25歳で農家の婿になり大勢の家族に仕える.妻が2人の子供を出産後病死したため,子供と共に家を出される.その後現在の妻と再婚し,農業をしながら6人の子供を育てる.性格は温厚,まじめで人からの信望も厚く,働き者で有名だった.76歳ころより健忘症状,見当識障害,嫉妬妄想などが現れ,脳梗塞という診断で3回の入退院を繰り返す.症状は年々すすみ,平成元年6月ころより夜中に「男がいる」と言って騒いだり,俳徊や見当識障害が著明になり,常時介護を必要とする状態で妻が介護に疲れ果て,保健所に相談に来た.
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