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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生54巻9号

1990年09月発行

文献概要

発言あり

海外旅行—ヨーロッパ社会の成熟度と日本,他

著者: 牛尾耕一1

所属機関: 1東京労災病院

ページ範囲:P.583 - P.585

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 一昨年の秋,シシリー島を主とした旅行に参加した.四国より大きいこの島はエトナ火山のある東部を除くと樹木らしい木もない,乾いた葡萄畑がどにまでも起伏して続いている.町や集落は丘の一番高い所に教会を中心に広がっている.水の便の悪い場所にあえて造ったのは,外敵の早期発見とかマラリア対策といった理由があったからであろうか.しかし私が目をみはったのは,集落のある高台と高台とが日本の新幹線並みの高架橋梁で結ばれていることだった.片道二車線の広い道を走っている車はいくらもない.8,000kmに及ぶドイツのアウトバーンと同様に料金所がない.出稼ぎ労働者を他国に送り出したりして欧州先進国の中でも最も貧しい国といわれ,そのイタリアの中でも開発の遅れているというこの島でさえこの有様である.西欧の富の深さを思い知らされた.
 昨年の秋,「独伊・スイスの旅」でベネチアに行った.旧市街には車がない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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