公衆衛生54巻9号

1990年09月発行

エスキュレピウスの杖

（6）ジュネーヴへの引越し

著者： 麦谷眞里¹

所属機関： ¹WHO本部

ページ範囲：P.644 - P.645

1．ジョブ・ディスクリプション
　エスキュレピウスの杖の元に勤務し始めてから6カ月経った．この間に，わが対外調整課は，プロフェッショナル・スタッフが，さらに3人も増えたので，それぞれの担当範囲を整理して，新しい所掌事務を決定した．UNDPは，専門家が来たので，私の手元から離れ，私の新たな責任分野は，先進国では，日本，イタリア，オーストラリア，ニュージーランドの4か国，国連関係では，UNCTAD（国連貿易開発会議）などが加わり，開発途上国では，主としてアジア・極東と，西太平洋地域を受け持つことになった．こう書くと何となく単純明快に聞こえるが，とどのつまり，日本やイタリアが拠出している各事業も担当することになるので，守備範囲は，意外と広いものになる．このほか，各事業の中で技術移転に関するものも私の担当と定められた．こうした個別事業に絡んだトピックは，またおいおいと紹介することにして，今回は，6カ月を契機に，少しジュネーヴの生活振りについて書こう．それにはまず，日本からの引越しのにとから始めねばならない．