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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生55巻1号

1991年01月発行

文献概要

特集 骨粗鬆症の予防

骨粗鬆症の診断と治療

著者: 川嶋禎之1 高橋栄明1

所属機関: 1新潟大学医学部整形外科学教室

ページ範囲:P.7 - P.11

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◆はじめに
 骨粗鬆症とは単一の疾患ではなく,種々の疾患,加齢,薬物投与などにより骨の量が病的に減少し,これに由来する臨床症状を呈した病態を指している.一般的には,骨量の誠少した状態を総称して骨粗鬆症と呼んでいるが,厳密には臨床症状を伴う場合を“骨粗鬆症”,臨床症状を呈しない骨量のみの減少状態を“骨量減少症”と区別して用いられる.したがって,“骨粗鬆症”の診断に当たっては,まず第一に骨量の減少を客観的に把握すること,さらに骨量減少に由来する臨床症状を確認することが必要である.また,組織学的検査・生化学的検査により,骨軟化症などの骨の質的変化を伴う疾患を除外すると同時に,二次性骨粗鬆症の原因疾患を鑑別する必要がある.
 治療に当たっては,骨粗鬆症という言葉が高血圧という表現と同様,一つの病態を示しているのみであることを念頭におき,種々の薬剤の作用機序を理解したうえで病因に即した治療法を選択すべきである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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