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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生55巻1号

1991年01月発行

文献概要

特集 骨粗鬆症の予防

骨粗鬆症の集団検診

著者: 折茂肇1

所属機関: 1東京大学医学部老年学

ページ範囲:P.16 - P.21

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◆はじめに
 骨粗鬆症は,最近,社会の高齢化に伴い痴呆とならび非常に注目されている疾患である.わが国においては全国的な疫学調査は行われていないが,約20年前に行われた,慈恵会医科大学整形外科教室の疫学調査結果をもとに,各年代の骨粗鬆症発症数を算出したものが表1である1,2).推定によると1988年の時点では,男性約94万人,女性約380万人,計約470万人の罹患者がいることになる.しかし,医療の進歩に伴う社会の高齢化には著しいものがあり,現在では骨粗鬆症の発症頻度もより高くなってきていると考えられる.そのうち年間約5万人の大腿骨頸部骨折患者が発生し,その治療に要する費用は約400億円と言われており,老人医療費の高騰の原因として大きな社会問題になりつつある.したがって本症を早期に診断し,骨折の予防および適正な治療に努めることが重要となる.
 骨粗鬆症とは,「骨の構成成分である基質と骨塩の比が一定のまま,つまり化学的な組成に変化のないまま,両方とも減少する状態」と定義される.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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