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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生55巻1号

1991年01月発行

文献概要

特集 骨粗鬆症の予防

骨粗鬆症の予防—運動の効果

著者: 楊鴻生1

所属機関: 1兵庫医科大学整形外科教室

ページ範囲:P.22 - P.26

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◆はじめに
 骨粗鬆症では,骨量の低下とその力学的強度の減少に伴い,骨に痛みや骨折を引き起こし,多くの高齢者に生活の制限と苦痛を与えている.高齢化社会の到来とともに,すでに400万人近くの人が,このような状態であるといわれており,今後もますます増加すると予測されている.そして骨粗鬆症は高齢者のquality of life(QOL)を低下させるだけでなく,総医療費に占める,本症の治療費の割合の飛躍的な増加をきたし,アメリカにおいては年間70億ドルを越え,大きな社会問題となっている.本邦においても近い将来,保健医療行政に大きな影響を及ぼすと思われる.それゆえに本症に対しては早急な治療法の開発とともに,予防法についても本格的に取り組む必要がある.
 骨粗鬆症の病因については未だに不明な点も多く,完成した骨粗鬆症に対する治療法は試行錯誤の段階である.近年,疫学的な骨粗鬆症の研究が進み,本症を引き起こしたり,増悪させたりする危険因子(リスクファクター)が解明されるようになった.特に食事におけるカルシウム摂取や,日常生活における運動等が注目されるようになり,その予防効果や,治療への応用が報告されている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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