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目でみる保健衛生データ
赤痢
著者: 工藤泰雄1
所属機関: 1東京都立衛生研究所微生物部
ページ範囲:P.48 - P.49
文献購入ページに移動図1に,厚生省伝染病統計に基づく1961年以降1988年までのわが国における赤痢の発生状況を示す.本症は,本邦においてもかつては下痢性疾患の一つとして極めて重要な位置を占め,戦前そして戦後も1950年代終わりごろまでは,全国的に水系流行をはじめとする集団発生が多発し,その患者数も毎年数万人にも及ぶ状況にあった.しかし,図からも明らかなように,1960年代に入って患者数は徐々に減少しはじめ,1970年半ばには1,000名前後を数えるまでに至った.これは,主に近年におけるわが国の上・下水道の整備など衛生環境の改善,抗生物質など治療薬の開発・普及などによるものであり,この事情は近年急減をみた腸チフスの場合と同様であるといえる.
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