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特集 健康まつり—創意と工夫のイベント
健康づくりに政治生命をかけた町づくり
著者: 森岡行直1
所属機関: 1弥栄町役場
ページ範囲:P.760 - P.764
文献購入ページに移動弥栄町は,京都府庁から北へ150キロ,日本海に突出した丹後半島の中央部に位置し(図1),人口約6,500人,鉄道も国道ももちろん空港もない,「ないないサミット」で知られる町である.町の中央部を南北に縦断する竹野川の流域丘陵地には,弥生時代以降からの住居跡など埋蔵文化財が点在し,古くから私たちの先祖が生活していたことがうかがえ,古墳時代には全長105mの巨大な銚子山古墳など数多くの古墳が築造され,大和朝廷に関係のある大部族が住んでいたことが推測されている.また天平年間には,木町の鳥取郷から絁(あしぎぬ)が,芋野郷から赤米が献上され,天平文化を衣食の面からガッチリと支えていたことが実証されている.この記録からも本町は,古くから今の二大産業である機業と農業が栄えていたのである.加えて昨年は,目下進行中の国営農地開発事業の関連で古墳の発掘調査が行われた結果,5世紀前期のものといわれる日本最古の製鉄コンビナートの遺構が出土し,一躍注目を浴びることとなった.このように数多くの埋蔵文化財は,今後の調査を待って新たな歴史が実証されることにより,丹後王国論もあながち夢物語ではないと思っているところである.
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