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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生55巻11号

1991年11月発行

現代の環境問題・20

環境汚染—微量金属による環境汚染

著者: 能村京子1 宮崎元一1

所属機関: 1金沢大学薬学部衛生化学教室

ページ範囲:P.796 - P.799

文献概要

1.はじめに
 微量金属trace metalとは,生体や環境中にごくわずかしか存在しない金属のことをいい(表1),多くの無機元素がこの範疇に含まれる.しかし,人体影響の観点から重要であり,環境中への放出が問題となるのは,一般に「有害金属」と称される金属(類金属metalloidを含む)である.
 有害金属の中には生体にとって栄養上不可欠で,生体内で恒常機構が発現する,いわゆる必須金属essential metalも一部含まれているが,これは微量金属が生体に対する強い生理活性を持ち,必須金属といえども必要量を超えて多量に生体内に摂取されると著しい毒性を示すためである.
 本稿では,まず金属の毒性発現の特徴について簡単に示した後,過去において人体に対する汚染例が明らかとなったいくつかの微量金属について,その具体的事例と,人体影響を中心に述べる(表2).

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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