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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生55巻11号

1991年11月発行

文献概要

目でみる保健衛生データ

性病

著者: 山井志朗1

所属機関: 1神奈川県衛生研究所細菌病理部

ページ範囲:P.803 - P.805

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 従来,性病予防法第5条により梅毒,淋病,軟性下疳,そけいリンパ肉芽腫の4疾病が狭義の性病として指定されていた.しかし近年の社会風俗の変遷,性意識の変化と多様化などに伴い,性的関係により感染する病原体の範囲も細菌,ウイルス,クラミジアにとどまらずマイコプラズマ,真菌,原虫等にまで広がり(表),旧来の定義では把握しきれなくなった.そこで新しい定義として世界的にSTD(Sexually Transmitted Diseases,性感染症)と呼称され,広義にとらえられるようになった.わが国も遅ればせながら,これらの性感染症について疫学,治療,診断などにわたり広く知見を集めて討議すべく,日本性感染症学会が1988年に発足した.
 厚生省の結核・感染症サーベイランス事業が1981年に発足し,のち1987年に性感染症のなかで淋病,陰部クラミジア,陰部ヘルペス,尖圭コンジローム,トリコモナス症が対象疾病として加えられた.そこでこの稿では,“伝染病統計”から主な性感染症の動向と,1987年より開始された結核・感染症サーベイランスの報告などから主な疾病について,その推移を述べてみたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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