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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生55巻12号

1991年12月発行

文献概要

特別寄稿

わが国における感染症の情報システムの沿革・3—感染症情報システムの現状と将来

著者: 大橋誠1 宮村紀久子2 倉科周介3

所属機関: 1前東京都立衛生研究所 2国立予防衛生研究所ウイルス中央検査部血清情報管理室 3東京都立衛生研究所

ページ範囲:P.876 - P.878

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 感染症に対する世人の関心が近年とみにうすらいだかにみえるのは,古典的な感染症が病気という災害全体の中で占めていた規模と危険性が大幅に減少したためで,ごく自然な成り行きである.だが繰り返していうように,その結果として感染症とその対策を軽視する風潮が広がるのは感心できない.感染症が制圧されたのは,決して水も漏らさぬ計画性をもった対策だけの成果ではないからである.むしろ一見無関係にみえる社会構造の変化が連動して,感染症の退潮という好結果をもたらした可能性も大きい.だから社会が感染症との間で水を開けることのできた現在は,感染症を含めた疾病対策の再検討に着手する最適の時期といえるのではなかろうか.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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