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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生55巻12号

1991年12月発行

文献概要

調査報告

慢性関節リウマチと環境因子の関係—日本各地における悪化の訴え率の季節変動について

著者: 滝沢健司1 島井哲志2 田中正敏2

所属機関: 1福島県立医科大学衛生学セミナー 2福島県立医科大学衛生学教室

ページ範囲:P.887 - P.889

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●はじめに
 一般に気象変化にともなって生じる疼痛は天気痛と呼ばれ,関節リウマチ患者の関節痛にこの傾向が著しいとされている1).実験的には,人工気象室を用いて慢性関節リウマチの諸症状を検討し,気温,湿度,気圧,風速などの個別の気象条件の変化では影響は少なく,これらの組み合わせ,特に湿度の上昇と気圧の低下の組み合わせが著しく症状を悪化させることが報告されている2)
 わが国は,北海道から沖縄まで南北に長く,本州でも日本海側と太平洋側で気候が異なるという特徴をもっている.また,高温多湿で降雨量が多く,移動性の低気圧が頻繁に通過するという地域である.したがって,それぞれの地域の多様な気候特性に応じて,慢性関節リウマチの症状にも多様な変動がみられることが予想される.しかし,これまでは,一般に慢性関節リウマチの症状が梅雨期と冬期に悪化することを指摘されているに過ぎず3),地域差については明らかでない.
 ここでは,慢性関節リウマチと環境因子との関係を検討する目的で,全国を典型的な気候区に分け,リウマチ友の会会員の協力を得て調査を行い,各気候区における症状悪化の訴え率の季節変動を分析した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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