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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生55巻12号

1991年12月発行

文献概要

保健行政スコープ

労働省の職業がん対策

著者: 椎葉茂樹1

所属機関: 1労働省労働基準安全衛生部化学物質調査課

ページ範囲:P.896 - P.899

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●はじめに
 昭和56年以来,がんは死因の1位を占めているが,平成元年のがん死亡者は21万人で,これは国民の4人に1人ががんで死亡する計算となり,働き盛りの年齢層から高年齢層(35〜79歳)の死亡者の3分の1を占めている.また,がん治療に使用される医療費は1兆3千億円にものぼり,その予防対策はわが国の衛生行政の中でも最も重要な課題の一つである.
 がん発生の直接的な原因は,ATLなど一部のウイルス性腫瘍を除いて,現在のところ確定されているものは少ないが,遺伝子などの宿主要因,生活習慣などの環境要因等に関する研究が進められており,次第に明らかにされつつある.中でも職業がんは古くから研究されており,また発生因子が職業と密接な関係にあるため予防可能ながんとして知られている.
 本稿では,労働省の実施している化学物質を中心とした職業がん対策の概要を紹介する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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