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特集 産業看護
産業看護—欧米の現状
著者: 奥井幸子1
所属機関: 1三重大学医療技術短期大学部
ページ範囲:P.104 - P.107
文献購入ページに移動産業看護に関心が向けられ,本誌にも取り上げられる時世になり感無量の思いである.現在,私たちにとって初めての公式な組織である日本産業衛生学会(以下産衛)産業看護部会の設立のために,最終的な努力と調整が続けられている.
部会設立の気運は,国際化とも深いかかわりがある.わが国の産業看護職の国際交流は,1969年に東京で開催された第16回国際労働衛生学会(以下ICOH)から始まった.主として疾病管理にかかわっていた私たちの活動と,労働と健康との関連に主眼を置いた欧米の看護の違いが目についた.このためには,看護基礎教育と公衆衛生看護の教育のみでは不十分で,労働衛生看護に関する系統的な教育が実施されていることもこの時知った.産業の場で,これらの活動に従事する看護職は,industrial nurseとして専門分化されており,この呼称が1970年代にはoccupational healthnurseと変更され,今日に至っている.
1973年にスウェーデンのシェーブデで開催されたICOH産業看護セミナーのテーマは労働環境であった.初めての海外セミナーへの参加と,英語の分からなさに加えて内容が理解できなくて泣いた経験がある.
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