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現代の環境問題・11
食品汚染—残留農薬
著者: 伊藤誉志男1
所属機関: 1国立衛生試験所・大阪支所食品試験部
ページ範囲:P.108 - P.111
文献購入ページに移動おいしい農作物がたくさん収穫されるようにと,品種の改良,栽培技術の向上への努力がなされている.また,農作物の貿易の自由化も漸次進められており,品質競争に打ち勝つためには食味,栄養成分とともに外観も重要な要素となる.しかし,おいしい米や上質のリンゴやモモ等は病害虫に弱く,これを防止する目的で殺菌剤や殺虫剤の農薬が使用されることになる.一方,わが国の農業従事者数は年々減少し,兼業農家が増加していることから,効率化も考慮しなければならず,労働力を少なくする目的で,除草剤が使われることになる.このような状況から使用された農薬が食品中に残留するならば,それは食品汚染物であり,汚染防止のための努力をしなければならない.
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