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特集 保健医療ソーシャルワーク
保健医療ソーシャルワークにおける公衆衛生的アプローチ
著者: 山手茂1
所属機関: 1東洋大学社会学部
ページ範囲:P.152 - P.155
文献購入ページに移動先進諸国においては,19世紀に近代化が進展するにともなって,「貧困と病気の悪循環」が重大な社会問題として取り上げられ,公衆衛生とともにソーシャルワークが発達し,保健医療ソーシャルワークが成立した.それ以来,ほぼ100年の間に,各国において保健医療ソーシャルワークが進展してきたが,「豊かな社会」における成人病=慢性・難治性疾患や精神障害の増加,高齢化にともなう心身障害老人の増加,核家族・単身生活者の増加などの新しい状況に対しては,まだ十分には対応できない状態にあるように思われる.
わが国においては,戦後の窮乏期に結核患者の増加をはじめとして,「貧困と病気の悪循環」に陥った患者・家族の問題が重大な社会問題として取り上げられるようになり,保健所・結核療養所などにソーシャルワーカーが配置され大きな役割を果たしたが,経済成長期以後は総合病院・精神病院にソーシャルワーカーが増加しており,「診療の補助者としての医療ソーシャルワーカー」という考えが強まっているようである.
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