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アニュアル・レポート
産業衛生の動向—第63回日本産業衛生学会より
著者: 三浦創1
所属機関: 1熊本大学医学部衛生学
ページ範囲:P.180 - P.182
文献購入ページに移動第63回日本産業衛生学会・第48回日本産業医協議会は平成2年4月,熊本市で開催された.この学会を通して眺めたわが国の産業衛生の動向を概説する.
近年の著しい技術革新に伴い,名種産業界における労働態様は大きく変わった.OA化の波は事務所労働のみならず各種産業に及び,機械運転,遠隔操作,監視等の業務が非常に多くなり,これらに関連してOA機器取扱い業務が激増,頸肩腕障害,VDT障害,産業疲労,精神衛生等の諸問題が脚光を浴びている.しかし,その一面,塵肺・産業中毒等の職業病や作業環境の管理・改善,さらに健康管理の問題も依然として大きな問題として残っており,新旧両面の問題に対する研究と実践活動とが本学会に課せられた社会的責務である.
このような産業界の現状と将来的動向から,産業保健活動を労働者の人間的・生態学的観点より見直すことが大切であろう.したがって,産業医学の現在の動向を知るには,各分野の研究業績を個々に紹介するよりも,本学会の特別講演,シンポジウムおよび特別研修会の内容を見て頂くのが最良と考えた次第である.
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