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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生55巻4号

1991年04月発行

文献概要

目でみる保健衛生データ

つつが虫病

著者: 須藤恒久1 森田盛大2

所属機関: 1秋田大学医学部微生物学教室 2秋田県衛生科学研究所

ページ範囲:P.280 - P.281

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 つつが虫病は,わが国では古くから信濃川,最上川,それに雄物川など,特定の川沿い地域での風土病という形で知られていたが,現在では広く全国各地でその存在が確認されている.もともとつつが虫病は,西はパキスタンから東はインドネシア,そしてソビエトのカムチャッカ半島と,沿海州を結ぶ広大な四辺形の地域で見られる病気であって,決して日本の特定地域だけにある風土病ではない.その原因は,つつが虫病リケッチア(Rickettsia tsutsugamushi, RT)を保有する特定のツツガムシの幼虫に吸着されることに因るものであり,ヒトからヒトへの伝染は決して起こらないが,昭和25年以降届出伝染病に指定されているので,その年次的推移が衛生統計に現されている.しかしながら,この届出数は,あくまでも医師が保健所に届出た患者数であるから,何らかの理由で届けられなかった場合には統計に現れないので,必ずしも届出数が実際の患者数というわけではないが,ここでは厚生大臣官房統計課の資料に基づいてその変遷と現状を紹介する.
 この制度開始以来,現在までの届出患者数の変遷は三つの時期に大別される(図1).第1の時期は昭和25年から30年代の終わりまでである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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