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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生55巻5号

1991年05月発行

文献概要

特集 学齢期の子供と現代社会

登校拒否—子供のライフストレスと学校教育を中心に

著者: 上林靖子1 斎藤万比古2 森岡由起子3 中田洋二郎1 藤井和子1 北道子1 佐藤至子2 梶原有二4 生地新3

所属機関: 1国立精神・神経センター精神保健研究所 2国立精神・神経センター国府台病院 3山形大学医学部精神医学教室 4埼玉県立小児医療センター

ページ範囲:P.301 - P.306

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■登校拒否とは
 学校を休むということが,明らかな病気ではないことは自明のことである.通常子供が学校を欠席する第1の理由は病気である.教育がそれほど重要視されていない社会では,子供は登校することより,家事や労働の一翼を担い役立つことが尊重されるので,時にはそれが第1の理由になることがある.学校教育に伴う経済的負担をまかなえない場合もあるであろう.これらのために長期にわたり欠席する子供たちがいることは,義務教育が制度化されたのち重要な問題となってきた.ところが,このような登校の障壁となる条件がないにもかかわらず,長期に欠席する子供たちが少なからず存在している.これらのうち,親に無断あるいは同意・承認を得ないままに欠席するものがいわゆる「怠学」であり,教育上は生徒指導の重要な課題となっている.
 登校拒否は,Broadwin2)が怠学の特殊型として記載したことに始まる概念である.彼は怠学とは異なり母親が十分に承知している欠席の2例を報告し,その機制として母親との間の未解決の葛藤の存在を指摘した.その後,1940年代には欧米で臨床研究が重ねられ,学校恐怖症としてその特徴が次のように記載された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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