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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生55巻5号

1991年05月発行

文献概要

特集 学齢期の子供と現代社会

現代社会と子供のアレルギー疾患

著者: 早川浩1

所属機関: 1東京大学医学部附属病院分院小児科

ページ範囲:P.307 - P.311

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■はじめに
 特集「学齢期の子供と現代社会」に寄せて,子供のアレルギー疾患の問題について考えてみよう.
 アレルギー疾患は,悪性腫瘍や重症の内臓疾患あるいは結核などの慢性感染症と比べると一般に軽症の場合が多く,直接の被害を受けるのは患者本人に限られるので,公衆衛生の立場からもあまり重きをおかれていなかった.しかし,近年は他の重症疾患への対策が次第に充実し,かつ感染症が克服されてくると,残された大きな問題の一つとしてアレルギー疾患が注目されつつあると考えられる.また,後述するようにわが国では社会の都市化,工業化にともなって子供のアレルギー疾患が増加しており,しばしばマスコミにも取り上げられてその対応が社会問題化してきているといえよう.
 本稿では,わが国の現在における子供のアレルギー疾患の実態とその問題点について,ことに学齢期を中心に簡単に述べる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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