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調査報告
高齢者の入退院の動向および退院患者の在宅ケアのあり方について
著者: 阿曽洋子1 萩原しづ子2 前野さゆみ2 朝倉新太郎3 多田羅浩三4 石川克己2 和島剛2 川口敦子2 小森輝子3
所属機関: 1神戸市立看護短期大学 2大阪府摂津市役所 3大阪府摂津保健センター 4大阪大学医学部公衆衛生学教室
ページ範囲:P.348 - P.353
文献購入ページに移動1989年の年齢階級別人口構成によると,65歳以上の高齢者は総人口の11.6%を占め,年次が進むにつれ構成割合は漸次増加している.また,1986年の国民生活基礎調査によると,65歳以上の者の有病者率は人口千対644.4であり,高齢者の大半は何らかの疾病を有しながら生活をしている現状である.さらに,通院治療を受けている者は人口千対524.6と有病者の約81%にあたる.疾病を有しながら在宅で生活を送る場合,何らかの家族の介護を必要とすることが多い.しかし,家族による介護力には限界があり,その限界は介護内容や介護能力,介護意識,介護を要する期間,介護者の健康状態と疲労などが関与すると考えられる.
今回調査を行ったS市では,65歳以上の人口が総人口に占める割合は,1989年1月末で6.6%であり,全国よりもやや低い.しかし,S市の平均年齢が1984年には31.1歳であったものが,1988年には33.1歳になっており,人口の老齢化は漸次進行している.
また,S市では1988年の65歳以上の者のうち,独居者は16.0%,家族との同居者は84.0%であった.
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