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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生55巻6号

1991年06月発行

文献概要

特集 トータルヘルスプロモーションの実践

産業ストレスとメンタルヘルス

著者: 斎藤和雄1

所属機関: 1北海道大学医学部衛生学教室

ページ範囲:P.407 - P.411

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◆はじめに
 高度に情報化が進み,複雑化した現代社会において,職場におけるストレス問題は無視できない童一要な課題となっている.
 産業ストレスの概念は必ずしも明確にされていないが,種々のストレッサーが原因となってストレスが形成される.すなわち,オーバーワーク,職場における人間関係のもつれ,給料,生活設計上の問題,将来に対する不安,単身赴任,仕事,寒冷,暑熱,騒音,振動,有害労働環境などの物理化学的環境条件などはすべてストレッサーとなりうる.
 人間の適応能力や抵抗力は優れており,強力であるが無限ではない.働く者が職場におけるストレスを上手に解決し,処理できれば問題ない.しかし,このことは必ずしも容易ではない.とりわけストレスが強過ぎれば,労働者の健康は障害される.逆にストレスがほとんどなければ,活力が低下し,労働意欲が失われる.適度の労働やストレスは我々に活力を与え,勇気付け,さらに希望を持たせてくれる.労働に伴って経験する産業ストレスを良く分析し,特徴を把握し,それらのストレスを上手に処理する方策を見いだすことは極めて重要であり,そのためには職場におけるメンタルヘルス対策を積極的に進めることが必要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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