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特集 計画の時代—保健と福祉のリンケージ
神戸市保健医療計画の展開と成果
著者: 中作清臣1
所属機関: 1神戸市衛生局庶務課
ページ範囲:P.459 - P.462
文献購入ページに移動いきなり昔話で恐縮だが,昭和50年代前半,私たち衛生局の若手職員は,「白地図のうえに病院のマークを印して,それで病院ができれば世話はない」とからかわれながらも,医療圏の設定や地域中核病院網構想の議論に熱中していた.2001年を目標とした新・神戸市総合基本計画(マスタープラン)に基づく保健医療の具体策が求められていたのである.
そういえばWHO専門委員会による「包括的ヘルスケア」を,私たちは「保健医療」と呼んでいたが,その用語すら局内で理解されなかった.地域医療という概念がようやく定着しはじめたころであり,「医療計画」という言葉自体がタブーであった.
一方,「保健所問題」も,都市保健所に対するビジョンが示されず,住民不在のまま公衆衛生関係者のみの議論が繰り返されていた.したがって,昭和53年に執行機関の附属機関に関する条例を改正し,市保健医療計画審議会を設置したものの,最初から長期的,専門的,総合的な保健医療計画の策定というわけにはいかなかった.
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