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雑誌目次

雑誌文献

公衆衛生55巻8号

1991年08月発行

雑誌目次

特集 対がん総合戦略の発展

対がん総合戦略の動向

著者: 和田武雄

ページ範囲:P.520 - P.523

 ご存じのように,この戦略と名づけられるプロジェクトは,いろいろな経緯があって昭和59年度以来実施されてきたユニークな国策のひとつである.その胎動時に学術専門委員の一人に加えられていた筆者は,故山村雄一前議長の構想に耳を傾けたが,おおむね,今日見直しをしても軌道修正の必要性を認めない,山村構想ともいうべき研究の主軸が設定され,この6年間に予期以上の成果をもたらした.と申し上げるのは,その後しばらくこのプロジェクトを間接的に観望する立場にいた筆者が,山村議長の逝去でそのあとを負う要請を受けるにいたり,そのために本稿を求められることにもなったからであり,またこの全貌の推移を見通しても,当初の重点課題の取り上げ方を論じていた昭和58年当時と今日との間には,6つの分野を分けたそれぞれの流れがよどみなく流れて,それぞれに多くの結実成果をもたらし続けているからである.
 それにしても,今日の10年は短い.このプロジェクトにしても,大体3分の2の時間を経過した段階にある.峠を越しても休息を許されるというわけにいかない研究の世界であるから,さらに先の高みへ向けて踏破の戦術を練らなければならない.

がんの臨床科学研究

著者: 末舛恵一

ページ範囲:P.524 - P.527

■はじめに
 がんに限らないが,診療は元々一人の医師と一人の患者の間の行為で,経験を通して総合され,体系ができる.“こぶ”が出来たものをその異常を取り去って,治そうという原始的な発想は今もがん医療の主流である.しかし,経験はがんの多くが全身病化することを教え,その制圧が今日依然として我々の標的であり続けている.

転換期を迎えたがんの基礎科学—細胞情報科学とがん制御

著者: 酒井亮二 ,   伊藤俊弘

ページ範囲:P.528 - P.532

■はじめに
 今日はがん研究の転換期を迎えているのではないだろうかという一抹の感慨が次第にわいてきている.百年以上にわたって人類が思考してきたがんの発生機序に対する最終的回答が,過去10年間における「ヒトがん遺伝子存在の実証」をもって日増しに確実視されてきたことによる.転換期をどのように迎えていくべきかについては明確な見通しは未だ確立してはいない.この見通しを得るための方法は,ことの成り行きを総括することであり,本特集の意図がここにあることは誠に時機を得たものと考えられる.これを機会に筆者なりの1つの総括を加えたい.

がんの一次予防

著者: 大島明

ページ範囲:P.533 - P.537

■がんの予防
 がんの予防には,がんの原因や危険因子を除き防御因子を高めてがんの発生を予防する一次予防と,がんにかかってもこれを早期に発見し早期に治療してがんの死亡を予防する二次予防とがある.がんの一次予防には,食品衛生法や労働安全衛生法による発がん物質の使用禁止の措置のような法的規制によるもの,B型肝炎母子感染防止事業のようにワクチンの予防接種によるもの,そして,禁煙指導や喫煙防止教育などの健康教育によるものがある.
 これまでわが国のがん予防対策は,二次予防の検診を主体とし,一次予防のための健康教育は軽視されてきた.わが国のがん対策が確立された1960年代には,胃がんと子宮がんががんの大半を占めており,これらのがんに対しては早期診断の技術がすでにほぼ確立していた.このため,「がんの原因は不明であり,がん予防の決め手は早期発見・早期治療である」との考えが公衆衛生の政策立案,決定に携わる人や保健医療の現場の人たちに定着することとなった.

がん治療とクォリティ・オブ・ライフ

著者: 武田文和

ページ範囲:P.538 - P.542

■はじめに
 Quality of life(QOL)という和訳しにくい言葉は,社会学の領域で日常生活を本人がどう感じているかを表すとき使われてきた言葉である.生きていることの意味,あるいは価値観には個別性があるたあ,QOLは第三者の考え方により評価されるのではない.病人となったときのQOLも本人の主観に基づいてとらえるもので,QOLの良否の基準を医療側で一律に決めるべきではない.しかし,それぞれの患者に共通している事項も多いので,がん患者のQOLの向上を目的に医療が実施できることは少なくない.

がんの疫学研究

著者: 清水弘之

ページ範囲:P.543 - P.545

■はじめに
 がんへの対し方は実に様々である.本特集で取り上げられているように,基礎科学,臨床科学,心理社会科学等の側面から“戦い”を挑んでいる.疫学もその戦術の一つであるが,ここではその役割につき,特に公衆衛生との関連から考察する.

対がん総合戦略とNGOの役割

著者: 中澤幸一

ページ範囲:P.546 - P.551

■日本における対がん政策
 わが国でがん対策の緊要性が論じられ始めたのは,公衆衛生施策の向上,医療技術の進歩および社会的経済的事情の好転等によって,急性伝染病等の発生,死亡の減少に伴い,いわゆる成人病に対する施策の必要性が問題となってきた昭和30年代のことであった.ちなみに昭和5年から平成元年までにおける各種疾病による死亡率の推移をみると,図1に示したごとくである.
 わが国におけるがんに対する研究は,各大学医学部等で個々には行われてきたが,何といっても,がんの基礎研究,臨床研究を一体的に実施してきたのは,財団法人がん研究会であったということができる.

活動レポート

政令指定都市保健所の地域活動の試み—福岡市南保健所

著者: 廣津留珙子 ,   恒吉香保子

ページ範囲:P.552 - P.557

 ●はじめに
 福岡市は昭和47年に政令指定都市となり,平成2年7月1日現在人口122.8万人,48万世帯,昭和60年の老年人口比率は7.8%である.7つの行政区に分かれており,各行政区に1つずつ保健所が設置されている.
 南保健所が管轄する南区は,平成2年7月1日現在人口23.2万人,8.8万世帯,昭和60年の老年人口比率は7.4%,市の南部に位置し,いくつかの大規模住宅団地を中心に福岡市のベッドタウンを形成し,また大学,短期大学も多く,緑ゆたかな住宅・文教地区である.
 指定都市の保健所であるため,いわゆる保健所業務と市町村業務をあわせて行っている.老人保健法に基づく成人健診は,医療機関委託と直営の二本立て,乳幼児健診は4カ月児,1歳6カ月児,3歳児健診を直営,10カ月児健診を医療機関委託で実施している.地区保健活動は小学校区単位(平成3年3月末現在24校区)で行っている.南区医師会の地域活動も活発で,後述するものも含め保健所と協力した取り組みもいくつか行われている.

現代の環境問題・17

環境汚染—ダイオキシン

著者: 樫本隆

ページ範囲:P.558 - P.561

1.はじめに
 環境における有害物質とは,人工的に生産され環境に放出された化学物質および様々な環境要因によって変質・分解を受けた物質が,人間を含めた生物に有害な影響を及ぼすものを指している.その人工化学物質は数百万種を超え,その中で最も毒性が強いのが2,3,7,8-Tetrachlorinated dibenzo-p-dioxin(TCDD),いわゆるダイオキシンと言い,これと類似の毒性を示す.
 Polychlorinated dibenzo-p-dioxins(PCDDs)75種,Polychlorinated dibenzofurans(PC-DFs)135種,PCBs209種をダイオキシン関連物質に含めている.特にPCBsのうちCoplanar PCBs(Co-PCBs)4種を含めた18種は,強毒性を示すために重視されている(表1)1)
 これらの物質は様々な発生源から非意図的に環境に放出され,水,空気そして食物連鎖を通じて,最終的に人体を汚染している.現在までに明らかにされた汚染の実態と毒性評価の問題点について述べる.

海外事情

中国の衛生防疫站

著者: 梅家模 ,   岩永俊博 ,   簑輪眞澄

ページ範囲:P.576 - P.580

●はじめに
 中国では1953年に衛生防疫站が政務院(現国務院)によって設置され,地域における中枢的な保健専門機関としての役割を果たしている.日本では,国民の健康に関連する拠点として保健所が設置されている.本稿ではその相似や相違などを考慮しながら,中国の衛生防疫站について紹介する.

報告

海外旅行者が持ち込むエンテロウイルス—名古屋空港における5年間の成績

著者: 石原佑弌 ,   磯村思无 ,   柳井慶明 ,   寺澤徳昭 ,   山下照夫 ,   小林慎一 ,   栄賢司 ,   森下高行 ,   西尾治 ,   三宅恭司 ,   岩本恭平 ,   高橋正樹 ,   大神田実

ページ範囲:P.581 - P.584

●はじめに
 近年,わが国における感染症は衛生環境の向上,ワクチンによる予防,抗生物質による治療などによって著しく減少している.しかし,愛知県の伝染病関係資料1)によると,法定伝染病で経口感染する疾病のうち輸入事例の占める割合は昭和53年12.4%,58年28.9%,63年には79.5%と確実に増加している.これは,国内感染が減少したために輸入例が相対的に増えたことと,衛生状態の低い発展途上国を含む,外国への旅行者が増加傾向にある状況下で,海外での感染者数の増加も原因と考えられる.さらに,旅行者は統計に計上されない法定伝染病以外の病原微生物にも感染して,発症の有無にかかわらず国内に持ち込んでいることが推測される.実際に,当県では昭和41年からウイルス性疾患の病因について,サーベイランスをしているが,それまでわが国に存在しないと考えられていた,エンテロウイルスのなかの特定血清型が突然小児の間で流行する事例に度々遭遇した.2〜4)この流行の発端は,恐らく旅行者などが国外で感染し,キャリアとなって持ち込み,そのウイルスが何らかの条件下で広がったのではないかと推測される.

保健所機能の新たな展開—飛躍する保健所

保健所に求められるもの

著者: 末田拓

ページ範囲:P.562 - P.563

◆はじめに
 保健所に入って約10年,保健所に入ったころは「保健所黄昏論」が華やかなりし頃であったが,最近の「地域保健将来構想検討会報告」,また,それを受けての「ニュー保健所構想」と,保健所の新しい展開が期待されつつあるような感じを受ける.しかし,保健所自体は変わろうとしているのであろうか.また,もし変わるとすれば,どのような方向に向かおうとしているのだろうか.
 保健所における対人サービスについては,過去の結核を主とした伝染性疾患中心の疾病構造から成人病を中心とした疾病構造への変化,また,人口の高齢化に伴う保健需要の変化等が問題となっている.そして,その流れに十分対応出来なかったことが,「保健所黄昏論」の主とする命題であったようである.そのことは,保健所の全盛期として「結核対策華やかなりし頃」と言われていることからもうかがわれる.
 しかし,保健所の存在目的は,結核をはじめとする感染症対策ではなく,住民の健康を守るどいうこと,健康の増進をはかることではなかったのか.その方法として,地区組織の育成,教育・相談活動の充実,さらに,市町村・医療機関等,関係団体との連携・調整等,問題に応じた活動があったのではなかろうか.

進展する地域医師会の公衆衛生活動 壱岐島健康会議と地域リハビリテーション研究会—壱岐郡医師会・1

地域活動部会の組織化

著者: 益川隆興 ,   光武新人

ページ範囲:P.564 - P.565

 壱岐島は東西15km,南北17kmの島である.島は全体的に平担で全島にわたり田畑が広がり,一番高い丘陵でも海抜213mである.道路網が発達し,島内いずれの地域へも車で約30分以内の距離にある.
 壱岐島(=壱岐郡)は勝本,石田,芦辺,郷ノ浦の4町から成る.壱岐郡4町の人口は約3万8千人で,65歳以上の高齢者は総人口に対して約17.2%(昭和63年)で長崎県内でも最も高齢化が進んでいる地域である.

目でみる保健衛生データ

成人T細胞白血病

著者: 井上博雄

ページ範囲:P.566 - P.567

 成人T細胞白血病(Adult T Cell Leukemia,ATL)の疾患概念が高月ら1)により提唱されてから15年,また日沼ら2)により原因ウイルスとしてHTLV-1が発見されて以来すでに10年が経過した.ATLはT細胞の中のCD4細胞が腫瘍化したもので,核の切れ込みを形態学的特徴とし,成人発症,高率な皮膚浸潤,肝脾腫,リンパ節腫大を伴い,しばしば高カルシウム血症を示す予後不良の疾患である.発見当初から九州,南四国出身者に多い地理病理学的特徴に気付かれていた.またHTLV-1の感染経路は,輸血などによる血液を介した感染,STDとして夫から妻への感染,および母子感染が明らかとされ,すでに輸血血液の抗体スクリーニングが導入されて久しく,輸血による感染の恐れはない.したがって,次世代への感染防止が公衆衛生上の課題であり,調査研究が進められている.この小論において,現在までに集積された主要な疫学的事象について述べる.

エスキュレピウスの杖

(17)第44回世界保健総会

著者: 麦谷眞里

ページ範囲:P.568 - P.569

1.第44回世界保健総会
 5月は,WHO総会の季節である.今年は予算の審議年に当たるが,昨年,一昨年のように大きな政治案件がないので比較的平穏な総会であった.総会の会期中は,当日の日程と昨日の各委員会の概要および各種連絡事項を掲載したジャーナルが毎朝配布されるが,私は,今でも,このジャーナルを見ると,何となく気持ちが昂ぶる.というのは,日本政府代表団の一員だったとき,毎朝,このジャーナルを見ながら一日の戦略を練ったからである.
 今回は,合計43本の決議が採択された.例によって,まず,各決議のタイトルだけを紹介し,次いで,主なものについて説明を加えてみる.

保健婦活動—こころに残るこの1例

痴呆性老人から教えられたこと

著者: 清水美代子

ページ範囲:P.570 - P.570

 保健婦の訪問を“待ってました”とばかりに妻が見せてくれたのは,1枚の色紙であった.「この馬のちぎり絵は,お父さん(夫)がデイサービスセンターでしたんやけど,こないして鉛筆で下絵が書いてあるのに,あっちこっちはみ出してしもうて……情けない」と愚痴る妻.そんな妻に私は「でもKさんなりに頑張って作ったんだから……」と型通りの慰めの言葉をかけようとしてその言葉を飲み込んだ.下絵からはみ出している馬に,何か彼の強い意図が感じられたからである.私はこれまでに得た断片的な情報を手繰り寄せながら,Kさんにとっての馬は何だろうかと考えた.傍にいつものように硬い表情で座しているKさんを強く意識しながら…….
 Kさんは66歳,妻と2人暮らしである.わずかの年金に妻の内職代,嫁いだ娘からの援助で慎ましく生活している.しかし市会議員を2期務めたという経歴の持ち主で,3期目,出馬への願いが果たせず,その直後に脳卒中で倒れた.幸い後遺症は残さなかったが,自暴自棄の生活に浸り蒸発し,7年ぶりに再発作がきっかけで戻ってきたのである.痴呆になってやっと故郷に戻れたのである.それでも選挙に関するテレビ番組や近所の人たちには顔をそらし続けているKさんである.

家族に問題をもつ精神発達遅滞児M君

著者: 土井千穂

ページ範囲:P.571 - P.571

 宇土保健所では,昭和61年4月から幼児の育て方の学習の場として,「すこやか幼児サークル」(親子遊び教室)を実施しています.M君は,このサークルに参加した1人でした.母親から,「3歳なのに1人で何も出来ないし,言葉も遅い」という訴えがありました.名前を聞いても見覚えがなく,なぜ今まで把握できていなかったのか疑問に思っていた頃,他県のH保健所からケース連絡が来ました.M君は精神発達遅滞があり,家族の機能がないケースとして事例検討にあがっていた幼児でした.私は,ケース連絡票に目をはしらせ母親の名前を見た時思わず「あっ」と声が出ました.M君とは,3年前に出会っていたのでした.当時M君は,妹の出生で母の実家であるこの土地に帰ってきていました.「M君が伝い歩きをしない」と母親から相談があり,訪問したのでした.1週間後,「伝い歩きするようになりました」という母親と,M君には明るい笑顔がみられました.
 しかし,サークルに参加したM君と母親は,あの頃のイメージとは全くかけ離れた人として,私の目の前に現れました.M君は,保健所の玄関に入る前から,ワァーと泣き叫び手足をバタつかせ,なだめてもどうにもならないのです.

発言あり

日光浴

著者: 淺野牧茂 ,   佐藤健二 ,   丹野瑳喜子

ページ範囲:P.517 - P.519

「Natural Experiment」
 戦前の小学生,中学生には林間学校や臨海学校という夏季休暇期間中の合宿制度があり,紫外線とオゾンに富んだ新鮮な空気とに包まれての“日光浴”は,理想的健康増進法の実践として半ば義務的に課された.しかし,今や死因順位第16位の結核も当時は国民病で,昭和25年には第1位を占めており,肺結核に冒されて何人かの級友が青春を待たずにサナトリウムで亡くなった.その後,ストレプトマイシン,アイナ(INAH),パス(PAS)の3者併用化学療法の確立を経て,肺結核による夭折は激減したが,当時,日光浴は結核性諸疾患の治療法として,専門家のみならず一般庶民の間でも,有効なものとして広く知られていたのである.
 事実,筆者が医学生当時に購入したヴァデメクム(Vademecum der arztlichen Praxis)には,日光浴(das Sonnenbad)が掲げられ,適応症として「結核性症患ニ対シテ最モ広ク応用セラル他佝僂病,貧血症恢復期等」とある.

公衆衛生人国記

熊本県—衛生行政に携わった医師を中心に

著者: 清田幸雄

ページ範囲:P.572 - P.574

 熊本県の公衆衛生活動も戦後輝かしい成果を上げてきたが,これはその活動に従事した医師,歯科医師始め,コメディカル,事務系の人たちも含め,数多くの人々の働きが集大成された結果であると確信している.ここでこれらの総ての人について述べることは到底できないので,本県衛生行政に従事した医師を中心に,県の内外で活躍された県人について,筆者の知る範囲で述べることにしたい.
 筆者は昭和20年9月,卒業と同時に熊本医科大学附属病院第2外科(当時勝屋外科)に入局したが,12月中旬勝屋教授より「教室の先輩の蟻田先生が現在,県の衛生課長をしておられるが,占領軍の命で衛生行政の強化を要請され,医師が必要であるから教室より派遣してもらいたい,といってこられたので,君一時行ってくれないか」と言われた.

保健行政スコープ

育児休業法の概要

著者: 瀬上清貴

ページ範囲:P.585 - P.587

●はじめに
 平成3年5月15日,第120通常国会で「育児休業等に関する法律」が成立した.
 この法律は,男女の差なく育児休業に関する制度を設けること等により,子を養育する労働者の雇用の継続を促進し,もって労働者の福祉の増進を図り,あわせて経済および社会の発展に資することを目的とするものである.そしてこの法律の施行は平成4年4月1日からとされている.
 その背景には,育児と就業に関する労働者の意識等の変化に対応して,子を養育する労働者の雇用の継続を促進し,あわせて次代を担う者の健全な育成に資するため,育児休業に関する制度を設けるとともに,子を養育する労働者の勤務時間等に関し,事業主が講ずべき措置を定める必要が生まれてきたこと等があったと考えられる.
 本稿は同法の概要を解説すると共に,その背景の各種データを紹介する.

基本情報

公衆衛生

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1170

印刷版ISSN 0368-5187

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