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文献概要
現代の環境問題・18
騒音・振動—苦情とその対策
著者: 和田忠幸1
所属機関: 1環境庁大気保全局特殊公害課
ページ範囲:P.637 - P.641
文献購入ページに移動騒音・振動は各種公害の中でも最も身近な公害であろう.というのも,私たちの身近には生活に不可欠なものとして自動車,鉄道などの交通機関,工場,建設工事,商店街などが存在し,これらは潜在的に騒音・振動を発生する可能性を持っていて,さらには,私たちは生活者として常に騒音・振動の発生者ともなりうるからである.
一般的に大気汚染や水質の汚濁などの公害が,汚染の蓄積(濃度)と生態系や生活環境との関係で問題にされ,ひとが感覚器官で直接感知しにくいのに対して,騒音・振動は,ひとが感覚器官で直接感知してから,その騒音・振動について妨害・嫌悪を示す程度が問題となることが多い,いわゆる感覚公害(一部,振動などによる物的被害もあるが,大部分は感覚的被害である)であり,一過性ということもあって,単にその物理量のみでは評価することができない面を持っている.
これらの騒音・振動の性質と社会情勢の変化および人々が求める生活環境の質の変化が,騒音・振動の評価,対策を難しくしているものと考えられる.
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