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文献概要
エスキュレピウスの杖
(18)平家・海軍・国際派
著者: 麦谷眞里1
所属機関: 1WHO本部
ページ範囲:P.654 - P.655
文献購入ページに移動見た目が格好良くて,かなりのところまで順調だが,結局は天下を制することのできない典型が,この三者だそうである.誰が言い出したのかは知らないが,言い得て妙で,通説になっている.平家・海軍の両者については,私よりもっと専門家が大勢いらっしゃるし,もとより私には語る資格がないので,ここでは話を三番目の「国際派」に絞ることにする.少し前までは,民間企業の国際派は,海外駐在が長く,一時は日本に帰って来ても,やがて再び海外勤務が巡ってきて,そうこうしているうちに,本社の役員人事から外れてしまう,というパターンを指していた.もちろん本社の社長にはなれなかった.こういう人たちにも二種類あって,自ら望んでそうなった国際派と,何となく人事異動のめぐり合わせで,気がついたら国際派と呼ばれていた,という人もいる.一方,役人は,そもそも外交官を除けば,もともとが国内行政指向であるから,国際派なるものは,存在しないか,してもきわめて少数派であることが多かった.民間でも役所でも,あまり国内の仕事から離れていると,感覚が鈍り,人脈も育たず,結局使いものにならなくなってしまう,という風潮があった.
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