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特集 日本の人口・世界の人口
労働力人口の国際間移動
著者: 小川直宏12
所属機関: 1日本大学経済学部 2日本大学人口研究所
ページ範囲:P.13 - P.16
文献購入ページに移動第二次大戦直後の1947〜49年では,合計特殊出生率(一人の女性が生涯かけて産むと思われる子供数)が4を超えていたが,1957年には2.04となり,10年間で50%以上も減少した.その後は安定していたものの,1973年の第一次オイルショック以降再び下降を開始し,1989年にはわが国にとって史上最低である1.57となり,1990年には1.53まで落込んだ.死亡率も著しく改善され,1950年では男子の平均寿命は58.0歳,女子のそれは61.5歳であったが,1990年ではそれぞれ75.9歳,81.9歳となり,世界一の長命国となった.
このような著しい出生・死亡の変化に伴い,年齢構造も激しく変動し,65歳以上人口の割合も1950年の5%から,1990年には12%まで上昇し,人口高齢化現象が深刻化しつつある.また,日本大学人口研究所の人口推計によれば,2025年には高齢者人口の割合が26%を超えることが示されており,来世紀には世界一の超高齢化社会がわが国で出現することはほぼ間違いないと言える.
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