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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生56巻10号

1992年10月発行

文献概要

総説

成人突然死の疫学像と今後の研究方向

著者: 福田勝洋1 森満1

所属機関: 1久留米大学医学部公衆衛生学講座

ページ範囲:P.705 - P.709

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1.はじめに
 本総説は,主として日本の成人における突然死(以下,突然死)の発生に関する最近10年間の疫学的知見をまとめ,突然死の病因論と予防方法の樹立に寄与することを目的としている.
 まず,突然死の定義に関して考察すると,その定義では,①死因,②発症から死亡までの時間,③突然に死亡することの予測性の有無,の3点から検討する必要がある.死因に関しては,内因性の疾患による死亡のみを対象とし,自殺や事故などによる外因死は除く,とすることが報告間で一致した見解1-6)であると思われる.発症から死亡までの時間については,24時間以内とするものが多いが1-4),死因別に見て,心疾患の場合は1〜2時間以内の死亡のみを,また,脳血管疾患などの場合には24時間以内の死亡を突然死とするという考えも紹介されている5),一方,突然死の予測性に関しては,普通に日常生活をしていた者が予期しえない状態で死亡した場合を突然死とするのが一般的である1-5).しかし疾患に罹患していたが症状が安定していたか,または回復しつつあった場合を含めるのか,いいかえれば,既往歴や現症の程度をどの範囲に限定するかについては,報告間で一致しているとはいえない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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