icon fsr

文献詳細

雑誌文献

公衆衛生56巻10号

1992年10月発行

文献概要

データにみる健康戦略 21世紀への健康戦略—データにみるその目標・4

事故死の構造

著者: 倉科周介1

所属機関: 1東京都立衛生研究所

ページ範囲:P.719 - P.722

文献購入ページに移動
 自殺の増減が社会の暮らしやすさ,つまり住民の安心感の指標だとすれば,事故死の増減は安全性のそれである.人生一寸先は闇であり,運と災難がないと思うのは心得違いだと昔からいわれてきた.たしかに事故で死ぬ機会は理屈の上だけなら誰にでもある.だが際立って事故が起こりやすい条件があることも間違いない.事故を回避する知恵を身につけるのは個人の才覚と努力に属するが,そうした条件を生活環境から排除することは,あげて社会のしごとである.そしてこればかりはふところ手をしていてもなんとかなるものでは決してない.だから事故死の動向は社会の心がけのよしあしを反映するものだといってよいだろう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら