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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生56巻11号

1992年11月発行

文献概要

特集 小児成人病の予防

小児成人病の地域的取り組み—滋賀県能登川町の10年間の追跡調査

著者: 衣笠昭彦1

所属機関: 1京都府立医科大学小児科

ページ範囲:P.762 - P.765

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〔小児期からの成人病予防の重要性〕
 食事の欧米化に伴う高カロリー食,容易に手に入るスナック菓子やジュース類の氾濫,戸外で遊ばないし,遊ぶ時間もないことによる運動不足.このような状況下にある現在の日本の小児を見て,小児に成人病が合併する危険性を誰しも信じて疑わない.しかしながら,その危険性の実態は,決して明らかになったわけではない.したがって,「小児成人病の危険性」を具体的に把握し,続いて成人病予防対策の対象となるハイリスク児をどのようにして発見するかは,早急に解決されねばならない課題であると同時に,非常な難題である.
 藪内らは1),日本の小児の血清総コレステロール値がアメリカの小児よりも高値であること,また大国らは2),日本人小児の血清総コレステロール値が最近10年で10mg/dlの上昇をみたと報告している.すなわち1年に1mg/dlずつ上昇していることになり,成人で報告されている上昇率(0.5mg/dl)3)の実に2倍の速度になっている.このようなデータは,「小児成人病」が今すぐには問題にならないにしても,「小児期からの成人病予防」の重要性を示唆するものである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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