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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生56巻11号

1992年11月発行

文献概要

調査報告

生活習慣と消化器障害

著者: 安達邦子1 日下幸則2

所属機関: 1大阪工作機械健康保険組合 2福井医科大学環境保健学講座

ページ範囲:P.788 - P.792

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●はじめに
 癌,脳卒中,心疾患などの成人病は,国民の健康を脅かしている1).高齢化社会を迎えつつある中で,将来,3人の勤労者が1人の老人を経済的に支えねばならないとの予測が出されている.したがって,産業保健の分野でも,健康増進は重要なテーマである.それは,人々のクオリティ・オブ・ライフを高めるためにも必要なことである.
 成人病になりやすい年代での傷病別大分類別医療費の統計を見ると,35歳から44歳までの1位,45歳から64歳までの2位に挙がっているのが消化器系疾患である.これらの消化器系疾患は,胃ガンなどの悪性疾患を別として,すべてが人を死に至らしめるものではないが,個人のクオリティ・オブ・ライフにとって,また医療費という観点からも見逃せないものである.
 成人病に関連している生活習慣は,今までにいくつか知られている.タバコ,アルコール,食事習慣,運動,肥満,ストレスなどはよく知られている因子である2).十二指腸から上部の消化器系疾患(胃炎,消化性潰瘍)の危険因子も,タバコ,アルコール,食事習慣などが明らかになっている3-7).生活習慣の健康に及ぼす障害ないしは生活習慣病は,人種や職種を越えて普遍的に認められつつある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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