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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生56巻12号

1992年12月発行

文献概要

データにみる健康戦略 21世紀への健康戦略—データにみるその目標・6

結核の凋落

著者: 倉科周介1

所属機関: 1東京都立衛生研究所

ページ範囲:P.863 - P.866

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 当節の日本では,結核で死ぬ人はまれになった.年間3,000名前後の死亡者のほとんどは,古い病巣の焼けぼっくいに火がついた老人性結核の犠牲者である.結核の診断が冥土行きの片道切符として恐れられた時代はたしかに過去のものとなった.結核が自然消滅するという見方が1970年代の大勢を占めた結果,WHOも結核部門の人員をなしくずしに削減してきた.だが,この予測は現段階では楽観的にすぎたようである.患者の増加や多剤耐性菌の出現など,近年,にわかに結核の動静が注目されつつある.デュボス(Dubos, L)いうところの「白いペスト(white plague)」との関係を人類が清算することは,はたして可能なのだろうか.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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