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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生56巻2号

1992年02月発行

文献概要

現代の環境問題・23

放射能汚染—地球環境の放射性物質による汚染

著者: 岩島清1

所属機関: 1国立公衆衛生院放射線衛生学部

ページ範囲:P.114 - P.118

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1.はじめに
 人が受ける被曝線量の増加という視点から,放射性物質(放射性核種の集合体)による地球環境の汚染の現状を要説する.
 通常の生活で受けているあらゆる放射線の被曝の中で,自然放射線源の寄与は大きく,かつ,放射線のレベルが,時・空間的に殆ど一定である線源,例えば,身体内のカリウム-40,宇宙起源の放射性核種以外の線源の寄与は人間の活動や行為に強く結びついており,時には大きく変動する.また,天然放射性核種のトリチウムや炭素-14などは核爆発実験や原子力発電関連でも生成し,地球環境におけるそれらの濃度レベルは大きく変わって来ている.したがって,まず,環境中の天然放射性核種の分布と動態について,次いで,人工放射性核種による地球環境の汚染の現状を,最後に,すべての放射線源からの線量の概括を記す.
 これまでに公開された環境放射能汚染に関する情報は,1958年から数年間隔で出されている「原子放射線の影響に関する国連科学委員会(United Nations Scientific Committee on the Effects of Atomic Radiation:UNSCEAR)」の国連総会への報告書に殆ど網羅されている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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